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南大東島―伊那 1000キロを越える交流

【南大東島再訪記】「平成のコメの道」〈下〉 「おいしいコメがいつも届けば……」 [伊那毎日新聞]


【南大東島再訪記】「平成のコメの道」〈下〉 「おいしいコメがいつも届けば……」 [伊那毎日新聞]
伊那の友好米を食べる南大東島の家族(濱里保之同村産業課長撮影)
(2005/11/18掲載)

 友好米を届けるコメ娘の一行には、じつは心配事が1つだけあった。伊那のコメで喜んでもらいたいけれど、島でコメを扱う商店の営業に影響を与えないだろうか?―ということだった。

 南大東島は沖縄本島から東に約400キロ。周囲20・6キロの島に1380人が住む。島の59・7%を占める農地はそのほとんどがサトウキビで、あとは青パパイアやジャガイモ。水田はまったくない。

 島民はもちろんコメを主食にしているが、当然全量、島外から、農協その他の流通ルートを通じて持ち込まれている。

 コメを使う商店は、与儀商店・大盛商店・ケンちゃんストアーなど3件ほどあり、銘柄的には新潟県魚沼産コシヒカリから秋田こまち、ひとめぼれなど数種並ぶが、もっとも安価の秋田こまちでも5キロ2140円と、輸送費などの関係で伊那では考えられない値段がついている。

 さらに、高温の地であることから保管などにも苦心しており、各商店がどれほど努力しても、どうしても鮮度的に落ちてしまう。新米も入らないわけではないが量的に少ない。島民のほとんどが「もっとおいしいコメを食べたい」と望んでいるという。

 こうした地に、「川下り米」として有名で、食味もよい伊那市東春近の新米コシヒカリを、経費相当の原価で持ち込むのだから、島のコメ屋に少なからぬ影響が出るのではないか―と危惧したのだ。

 だが、取りこし苦労だった。米屋の1つ与儀商店の田仲留美子さんは8月に伊那を訪れた1人でもあり、交流をさらに深めようと、友好米のおにぎり作りや申込みの集約に率先してあたってくれた。

 それどころか「伊那に行った時から、こんなおいしいコメがいつも届けば、島の人はきっと喜ぶと思っていた」と、今後継続して、伊那で取れたコメを島に直送し・販売する窓口を引き受けてくれる方向で、話し合いを続けることを約束したのだった。ほかの米屋さんも歓迎してくれた。

 こうして、人々の友好の中から、伊那の特産品であるコメを直接流通させる、経済的な交流の試みが新たに始まろうとしているのだ。(毛賀沢明宏)

※「平成のコメの道」は本号で終わり。次回からは「動き始めた子どもの交流」が始まります。

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